工務監督を目指す人の中には「英語ができないと難しいですか?」という疑問を持つかもしれない。
結論から言えば、外航船では必須のスキルだが、内航船では、使う機会は限られる
今回は工務監督と英語の関係について、経験を交えながら話してみたい。
尚、私は、英語を全く使用しない会社で、工務監督をしている。
工務監督の英語事情——概要
外航船か内航船かで大きく変わる
英語の必要性を左右する最大の要因は、工務監督として、外航船を扱うか内航船を扱うかだ。
内航船を扱う工務監督であれば、英語を使う機会はほぼない。日常業務で英語が必要になる場面は極めて限られている。必要な場面であっても、AIや翻訳機能を使えばほぼ足りると思う。
一方、外航船を扱う工務監督にとって英語は必須のスキルだ。書類、メール、電話・WEB会議・海外出張など、英語を使う場面は日常的に発生する。船員ではない関係者とのビジネス英会話も求められるようになる。
船員時代の英語——必要に迫られれば何とかなる
私は、外航船の機関士として乗船していた経験がある。
船内では外国人船員と一緒に乗船することが当たり前で、指示も報告も英語で行われる。
英語が得意だったわけではない。しかし英語を使わざるを得ない環境に置かれると、仕事の意思疎通に困らない程度には使えるようになった。
理由はシンプルだ。船の会話には定型文のようなものがあり、単語を置き換えるだけで会話が成り立つ場面が多い。
わからない言葉があっても、文脈から言いたいことが掴めるようになってくる。
先輩の日本人船員や、外国人船員の言い回しを真似をし、必要に迫られれば、言葉の問題はある程度クリアできるものだ。
現役工務監督から見ると——海外出張で痛感したこと
普段の業務で英語を全く使わない環境にいた私が、海外で検船をすることになった。
外航船の機関士を辞めてから10年以上が経ち、英語にも全く触れない生活が続いていた。
この時ほど勉強しておけばよかったと後悔したことはない。
不安を抱えつつ現地に飛んだ。
船員時代の何割も喋れていなかったと思う。それでも検船先の工務監督・船員と話をし、書類を見せてもらい、機器類の状態を確認した。オフィスでは、入渠履歴や工事内容を確認し、何とか乗り越えた。
ほっとしたと同時に、頭が非常に疲れた。
後から知ったことだが、依頼者(外国人)から一定の評価をいただいていたらしい。
その理由を考えてみると、英語力などではなく、工務監督としての船の知識や目利きが評価されたのだろうと思う。
工務監督として出張しているのだから、当然といえば当然だ。
英語が流暢に喋れても、船や機械の知識がなければ評価されない。
一方で、もっと英語が喋れていれば、鬼に金棒であっただろうことは痛感する。
痛感したものの、出張後英語の勉強を再開したという記憶はない。
英語は必須か——本人にその気があれば身につく
外航船を扱う工務監督にとって英語は必須のスキルだ。
しかしそれは「最初から完璧でなければならない」ということではない。
本人にその気があれば、仕事の中で自然と身についていくものだと思っている。
募集要件に、英語力が求められている場合は頑張るしかない。
目標があれば、上達の仕方も違うだろう。
英語ができないことを理由に、工務監督の道を諦める必要はない。



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