新造船建造の流れ②——建造監督の仕事・現場確認と図面承認

3×3ルービックキューブ figure it outの文字 工務監督の仕事

前回は新造船が発注されるまでの流れを解説した。今回は建造がスタートしてからの工務監督の動き——現場確認と図面承認について解説する。

建造監督の仕事——概要

①現場確認——何を見るのか

建造がスタートすると、工務監督は建造監督として造船所に出向き、図面通りの建造がなされているかを確認する。主な確認項目は以下の通りだ。

板厚が図面通りか。ピラーの位置は正確か。各機器の取り付けに問題はないか。内外艤装品の取り付けに漏れや間違いはないか——こうした確認を、建造の進捗に合わせて繰り返し行っていく。

②図面承認——現場確認と並行して行う

現場確認と並行して、図面の承認業務も続く。

造船所からは建造が進む中でも次々と承認図面が提出される。現場に出向きながら、事務所に戻れば図面のチェックをする——その繰り返しだ。現場で問題が発覚してからでは修正コストが大きくなる。図面の段階で問題を潰しておくことが、後工程をスムーズに進める鍵になる。

③建造中に起こるトラブル

建造途中には様々なことが起こる。代表的なものをいくつか挙げる。

図面上は問題なかったが、実際の建造工程において配管を通せない状況が発生することがある。搭載を予定していた機器が廃版になり、代替品のサイズが変わったことで周辺の設計変更が生じることもある。外部要因——例えば今回のホルムズ海峡危機のような状況——で資材調達に影響が出るケースもある。

問題が見つかったときは、工事担当者に連絡して善後策を協議する。

現役工務監督から見ると——引き渡し日という絶対的な締め切り

建造監督として最も神経を使うのは、引き渡し日という絶対的な締め切りだ。

引き渡し日は、よほどの事情がない限り動かせない。その日に向けて、建造中に起こる様々な出来事に対応し続ける。

訪問頻度も引き渡し日に向けて変化していく。建造初期は2週間に1回程度。中期になると週1回に増える。進水後は週2〜3回となり、海上試運転を含む引き渡し1ヶ月半前からは毎日通う。船の完成が近づくほど、工務監督の現場への関与は密になっていく。

船は船会社にとって商売道具であり、大きな資産だ。それにかける費用も大きい。ちゃんと使える船を、期日通りに引き渡す——それが建造監督としての責任だ。現場確認も図面承認も、すべてその一点に向かっている。

次回は試運転から引き渡しまでの流れについて書いていきたい。

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