著者:大河内 薫・若林 杏樹
出版社:サンクチュアリ出版
初版:2018年
本書は、フリーランスになった主人公が税理士との対話を通じて、税金や社会保険、経費、確定申告などについて学んでいく漫画形式の入門書である。(アマゾンリンク)
タイトルからするとフリーランス向けの本と思われるかもしれないが、内容は税金の基本的な仕組みを分かりやすく説明したものであり、会社員が読んでも十分参考になると感じた。
確定申告を経験して感じたこと
私自身、これまでふるさと納税や医療費控除のために数回確定申告を行ったことがある。
正直なところ、手続きは面倒だった。
必要書類を集め、内容を確認しながら入力していく作業は決して楽ではない。しかし、実際に自分で確定申告を経験したことで、給与明細ではあまり意識しない税金や控除の仕組みについて理解が深まったと思う。
本書を読んで改めて感じたのは、「税金は知らないから難しいのであって、基本的な仕組みを理解すると意外とシンプルな部分も多い」ということだった。
税金の仕組みを分かりやすく学べる
会社員の場合、所得税や住民税、社会保険料は給与から自動的に差し引かれるため、自分がどのような税金をどれだけ負担しているのかを意識する機会は少ない。
しかし本書では、
- 税金はどのような仕組みで計算されるのか
- 経費とは何か
- 控除とは何か
- 確定申告は何のために行うのか
といった基本的な内容が、専門用語をできるだけ使わずに説明されている。
税金関係の本というと難しいイメージがあるが、本書は漫画形式で読みやすく、税金に苦手意識がある人でも抵抗なく読むことができる。
インボイス制度についても触れられている
本書では消費税やインボイス制度についても解説されている。
インボイス制度は数年前から始まり、多くの企業や個人事業主が対応に追われた。会社員であっても、経理業務や取引先とのやり取りに関わる人は制度対応を経験したのではないだろうか。
私も、取引先から適格請求書のサンプルを取り寄せたり、請求書の記載内容を確認したりした。
日常業務では制度の詳細を理解していなくても仕事は進められる。しかし、本書を読むことで、なぜそのような対応が必要になったのか、その背景や仕組みを理解することができた。
制度を理解した上で業務を行うのと、言われた通りに対応するだけでは、納得感が大きく異なると感じる。
本書を読んで感じたこと
特に良かったのは、「こうすれば得をする」という節税テクニックを紹介する本ではなく、「まず税金の仕組みを理解するための本」として書かれている点である。
税金というと複雑で取っつきにくい印象がある。しかし本書は、税金や社会保険、確定申告といった身近なテーマを、初心者にも分かるように噛み砕いて説明している。
もちろん、この一冊を読んだだけで税金の全てが理解できるわけではない。
それでも、「税金とは何か」「確定申告では何をしているのか」「消費税やインボイス制度はどのような考え方で作られているのか」といった全体像を把握するには十分な内容だと思う。
まとめ
タイトルからフリーランス向けの本という印象を受けるが、実際には会社員にも役立つ内容が多い。
特に、
- ふるさと納税を利用している人
- 医療費控除などで確定申告をする機会がある人
- 請求書に関わる業務を担当している人
- インボイス制度について改めて理解したい人
税金の知識は学校で体系的に学ぶ機会が少ない。だからこそ、本書のような入門書を通じて基本的な仕組みを知ることには十分な価値があると感じた。



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