機関士のキャリアパスを考える

キャリア・転職

機関士として船に乗り始めたとき、この先どんな道があるのかを考えたことはありますか。この記事では、機関士のキャリアパスについて、現役工務監督の視点から整理してみます。

大きく2つの道がある

機関士のキャリアパスは大きく分けると2つです。船内でキャリアを積み上げていく道と、陸上職に転身する道です。

船内でキャリアを積む道

船内でのキャリアアップは、職位を上げていくことが基本です。三等機関士からスタートし、二等機関士、一等機関士、そして最終的には機関長を目指します。

機関長になるためには、上位の海技士免状の取得、年齢や乗船履歴などが条件になりますが、これは会社によって様々です。

大手海運会社では、数年間海上で経験を積んだ後、陸上での勤務を数年間経験するという海陸の相互勤務を繰り返しながら、海運のプロフェッショナルとして成長していくキャリアモデルもあります。船だけでなく、陸上での技術開発や船舶管理なども経験できる環境が整っている会社もあります。

陸転という選択肢

「陸転」という言葉があります。船員から陸上職に転換することを指します。

同じ会社内であれば、陸上職と船員を行き来するケース、船員のみで続けるケース、陸上職に完全転換するケースがあります。会社を移る場合は、船員として転職するのか、陸上職として転職するのかによって話が変わってきます。

陸転を考えるきっかけ

陸転を選ぶタイミングで最も多いのは、結婚や子供ができたときです。家族との時間を確保したい、生活を安定させたい——そういった理由が多いです。

他にも体調を崩した、船員でいると趣味ができない、転勤が多くて落ち着きたいといった理由もあります。きっかけは人それぞれです。

機関士の経験が活かせる陸上職

陸転先として代表的なのが工務監督です。機関士として培った機械・電気の知識がそのまま武器になります。

それ以外にも機械整備や電気工事の職種との親和性が高いです。また造船計画や船舶保守管理、技術開発といった陸上技術職も機関士経験者が活躍できるフィールドです。外航船を管理していた経験があれば、語学力を活かしてグローバルな仕事に携わることもできます。

船に乗り続けるか、陸転するか

どちらが正解とは言えません。

陸転のメリットは生活が安定することです。家族との時間が増え、規則正しい生活ができます。一方デメリットは、少なくとも当面の給料は船員でいる場合よりも下がることです。乗船手当がなくなる分、収入が減るケースがほとんどです。

船に乗り続けることのメリットは、機関長を目指すという明確なキャリアの目標や、長期の休暇だと思います。

キャリアに悩む機関士へ

安易な転職や陸転はおすすめしません。「こんなはずではなかった」ということになりかねないからです。

自分が何を優先したいのか——仕事のやりがいか、家族との時間か、収入か、安定か。それをじっくり考えてから判断してください。焦る必要はありません。情報を集め、できれば実際に陸転した先輩の話を聞くことが、後悔しない選択につながると思います。

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