「工務監督」という仕事を知っていますか?
船乗りでもなく、港湾作業員でもない。船を「維持・管理する」陸上職です。海運業界の外からは見えない存在ですが、船を陸上から支えている仕事です。
この記事では、元機関士で工務監督の筆者が、仕事内容を解説します。
工務監督の主な仕事
①不具合対応
船は24時間365日、海を走り続けています。当然、トラブルも起きます。
運航中に主機の回転数が上がらなくなった、発電機が起動しなくなった、レーダーのエコーがおかしい、配管に穴があいた——こうした不具合の連絡が船から入ると、工務監督の出番です。
原因を特定し、修理方法を指示し、必要であれば部品や技術者を手配する。船が止まれば損失は莫大です。スピードと判断力が求められる仕事です。
②船用品・部品の発注
船の運航に必要な消耗品や部品を手配するのも工務監督の仕事です。
船用品や部品に関する商品知識を持つことは大切なことですが、同じくらい重要なのが「商流の把握」です。部品はメーカーから直接買える場合もあれば、代理店を通じてしか買えない場合もあります。どこに頼めば早く届くか、どのルートが最もコストを抑えられるか——この流れを知っているかどうかで、対応のスピードとコストが大きく変わります。
経験を積むほど知識が蓄積されます。一見地味な仕事ですが、船を止めないために欠かせない重要な業務です。
③ドック工事の監督
船は定期的にドック(造船所)に入り、大規模な整備や検査を行います。この業務が工務監督の大きな仕事のひとつです。工程管理、検査対応、施工状況の確認、コスト管理——陸上の現場監督に近いイメージです。
④新造船の建造監督
新しい船を建造する際に、造船所に常駐して造船所による建造を管理する仕事です。設計通りに造られているか、規則を満たしているかを確認します。
会社によって仕事の範囲は異なる
工務監督の仕事内容は、会社の規模や船種によって異なります。大手船社では担当業務が細分化されていることが多く、中小では一人が幅広く担当するケースもあります。また外航船と内航船でも仕事の性質はかなり違います。この記事で紹介した内容はあくまで一例として参考にしてください。
まとめ
工務監督は「船を陸から支える仕事」です。技術的な知識だけでなく、トラブル対応力、コミュニケーション能力が求められる、奥の深い仕事です。
次の記事では、気になる給料について数字で解説します。

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